排出権ビジネス
文字色4月8日の報道ステーションの特集が興味深かったので♪内容は排出権取引の中央銀行を目指すEU。19世紀は金の時代、20世紀は米ドルの時代、21世紀はCO2が世界通貨・基軸通貨になると予想するEUの戦略を特集してました。ヨーロッパが環境問題を重要視しているのご存知と思いますが「裏」の思惑もあるのですね。ヨーロッパは早い段階で二酸化炭素の排出権取引のビジネスを立ち上げ環境に配慮していると言う事を訴えてますが実際はやはりビジネスがらみでの覇権が目的だろうと思います。EUが明確な数値目標にこだわるのもそのあたりにあるかもしれませんね。。。かつてアル・ゴアとともにノーベル賞を受賞したIPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)もEUに賛同する形をとるみたいですね・・・もうすでにオランダやそのほかの国々でも実際に排出権を取引する取引所も作られて取引してるみたいですがまだ全体量はそんなに多くないみたいですが、活発な取引がなされてました。当の日本は洞爺湖サミットがあるにもかかわらず、どうもこういった権利ビジネス、ゼロからビジネスを立ち上げるのが苦手みたいでいつもアメリカやらヨーロッパに先を越されてますね。。。官僚に創造性と大局的戦略を求めるのはどうかとも思いますが、政治家の中や民間企業から出てきてもいいようなものですが。。。日本でも三菱UFJ証券の吉高まり氏などが環境金融コンサルタントと称してやってるみたいですが政府も絡んでやらないと圧倒的にEUに遅れをとることになると思います。。。と言うか遅れてますがwやはりこれからのビジネスのキーワードにひとつは「環境」でしょうね。日本もこういった所に人的資源や金を投入してほしいものです。。。FC2 Blog Ranking報道ステーション(報道ステーションHPより抜粋)2008年4月8日放送 「排出量取引の中央銀行へ」~CO2に透ける"欧州の野心" 先月、デンマークの首都・コペンハーゲンで、排出量取引に関するビジネスイベント「第5回カーボン・マーケット・インサイト」が開かれた。5年前までは100人ほどしか集まらなかったが、今年は世界70カ国から1600人が参加し、巨大なイベントに発展している。イベントを主催したポイントカーボン社のペル・オット・ヴォルCEOは「ヨーロッパの政治家や欧州委員会の声明にもあるとおり、EUが環境経済を発展させることで世界をリードしたいと考えているのは明らかだ」と語る。京都議定書で、国ごとに定められたCO2の削減数値目標。(EU…マイナス8%、アメリカ…マイナス7%、日本…マイナス6%)それぞれの企業は国から定められた排出枠を基準として、余った分と足りない分を売買し、国の目標を達成すべく、取引ビジネスを行っている。EUを中心した排出量取引の市場規模は630億ユーロ(約10兆円)で、世界の薄型パネルなどのディスプレー市場に匹敵する規模に膨れ上がる勢いだ。(2008年見込み)ここにきて、日本から商談の機会を得ようと、独自に参加する者も出てきた。三井住友銀行・環境ソリューション室の中塚裕己・上席室長代理は「(日欧の)格差はある。マーケットが今は日本にない。これから日本政府が作っていくこと。我々もそれに協力して早くこうした状況に追いつかないといけない。こうした排出量取引のイベントが日本で行われるようにならないと、情報が入ってこない」と語る。世界初の巨大な排出量取引市場はEUで2005年に始まった。EU全体では、京都議定書による排出削減の義務期間に入る今年までに、すでに削減数値目標を達成。洞爺湖サミットへ向けて、排出量取引の整備を急ぐ日本をよそに、EUの排出量取引ビジネスは急激に成長を遂げている。「カーボン・マーケット・インサイト」の会場に、UNFCCC(国連の気候変動枠組条約)のイボ・デ・ブア事務局長が姿を現した。この人物こそ、日本のあいまいな態度が手厳しく批判された国際会議「COP13」の最重要人物だ。デ・ブア氏は「京都議定書によって生まれた排出量取引市場は、活況を呈している。実業界の皆さんの関与は、これまで以上に重要なものになってくる」とスピーチした。我々は、会場をあとにするデ・ブア氏に直接話を聞いた。「アメリカ大統領選挙が終わると、あらゆる先進国が排出量取引に関わることになる。もちろん、日本も覚悟を決めないと…」とデ・ブア氏はいう。会場に戻ると、この場に集結するビジネスマンが最も注目する人物が壇上にいた。映画「不都合な真実」で話題となったアル・ゴア氏とともに去年ノーベル平和賞を受賞したIPCC(気候変動に関する政府間パネル)のラジェンドラ・パチャウリ議長だ。「ここに集まった皆さんの知識は、今後の政策を決定付ける。そして政策は市場を作り上げる」とスピーチするパチャウリ議長は、インド最大の財閥「タタ・グループ」出身のエコノミストで、現在も研究所の所長を続けている。我々は改めてパチャウリ議長にインタビューを申し込んだ。「IPCCが世界のリーダーであるべきと考えていた。(ノーベル平和賞の受賞で)我々IPCCが伝えるメッセージに対して、大きな関心と需要があると感じた。EUは排出量取引ビジネスのリーダーとなっている。EU諸国のリーダーシップは褒め称えられるべきだ」と語るパチャウリ議長。さらにこうも述べた。「EU以外の国々も排出量取引の動きに同調すべきと考える。そして排出量取引市場は世界各地に拡大するだろう」我々は、EUの戦略研究に長く携わるコペンハーゲン大学のピーター・ペイ教授にも会うことができた。教授は排出量取引ビジネスで、EUは世界で最も影響力を持つ存在になると予言する。「我々EUは大きな爆弾も持っていないし、軍事力もない。しかし、今や我々EUは人類が直面する問題の解決策をもっているのだ」と教授はいう。ではEUの持つ"解決策の鍵を握る"現場で何が起きているのか?オランダ・アムステルダム市内にあるフォルティス銀行は、EUで初めて排出量取引を扱った銀行として知られる。いまや、フォルティス銀行の排出量取引は1日平均135万トンを超えるほどだ。この銀行にいる日本人トレーダーの白石到氏は、EUの本音を「昔は金がスタンダードだったが、その後は米ドルに取って代わって世界の基準になった。欧州は環境の価値観、スタンダードを自分たちで作ろうとしている」と分析する。さらに白石氏は、EUの世界戦略構想は排出量取引における中央銀行としての機能を独占することだという。「自分たち(EU)が世界の通貨を握れば、それは強い経済的な刺激になり、経済を強くするための技術開発のお金が流れていけば、結果的に欧州企業が強くなる。そして世界でも競争に打ち勝っていく」
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